石井淳アトリエ 建築設計事務所 神奈川県相模原市 建築設計事務所 相模原市


 □  「生カキをドロッとたれたみたい」 とはうまいことをいうわい と思わず感心

2015-07-23(木)
これほど建築/新国立競技場が日本国民の関心を惹いたのは皮肉でもある。
それは建築自体の話題ではなくコスト・機能・政治についての話題だ。
そしてメディアもまるで鬱憤を晴らすかのように連日繰り返している。

安保関連法案は月曜日にも参議院審議入りする予定だ。
対照的にこちらは衆議院での審議をNHKは国会中継さえしなかった。
週明け27日の審議は中継される見通しらしい。
僕たち日本人のアイデンティティーを定める問題だ。
我々の歩んだきた歴史から、さらにこれからの日本人が拠って立つスタンスを決定するのだ。

不良債権化する原発も同じくアイデンティティーの問題だ。
総括原価方式の電力会社を打ち出の小槌のごとく重宝している場合ではない。

上の大きな二つの問題はさておき、そこは仕事柄 やはりスタジアムについて書こうとするのだが、政治行政のスタジアム計画に
対するこれまでの無知傲慢、不手際、癒着、結論ありき、怠惰、不整合、無責任、不審不信ばかりが思い返される。

さらにそれらもすべて さておき 飛ばしたうえで、
現在、国民の総意なのかと思ってしまうほどの 「新国立競技場はコストと機能こそが最も大切」 という見方は間違いだ。
政治行政だけではなく建築に対しても不審不信の中で、小学生までもが「安ければいい」そう口にする。
とてもわかりやすい正義だ。
しかし僕が思うには、コストは条件というよりひとつの設計要素だ。
敷地環境やコンテクストと同じ要素なのだ。
このとらえ方はローコストを建築に昇華させるための極意のひとつだ。


SANA案たとえばコンペ3位の左のSANA案は敷地環境に
馴染んで敷地要素をよく昇華させている。
最も歴代オリンピックでは開催国以外の建築家を招聘
するものらしい。 バルセロナでは坂本龍一が開会式
セレモニーの音楽指揮者だったことに驚いた。多くの
オペラ歌手が出演した芸術色豊かな開会式だった。
そのアリーナは磯崎新が設計している。そういう意味に
おいてSANAが選ばれる確率は低いとは思っていた。


選ばれていれば森さんには「『しけったせんべい』みたいだけどいいじゃないか」と言わせたい。

公共建築はすべて政治だ。
その中でもオリンピックは途方もなく政治的だ。
その政治的なものさえひとつの要素として同列に並べなければ建築はけっして建築にまでたどり着かない。

旧国立競技場のように、代々木体育館のように、東京体育館のように、僕らはいいものをたくさん持っている。
建築っていいものだなぁと思えるように、壊してはいかん大切なものであるように、
僕らの自負と自信と励みであるような競技場になってほしい。
そして今度は我々の話題が、その建築の好き嫌い、ありかた、使い方や育て方かかわり方などで大いに賑わってほしい。


ちなみにオリンピック開会式のありかたはスタジアムのありかたも含め、さまざまな発想で取り組んでもらいたいものだ。



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