石井淳アトリエ 建築設計事務所 神奈川県相模原市 建築設計事務所 相模原市


 □  edgeをめぐる冒険

2013-04-01(月)

どういう由来でその雑誌の名前をエッジにしたのか、僕は知らない。
でも edge という語は30年以上の時間にわたり、僕に重要な意味を発している。
だから僕の話が長くなる予感がするのは仕方がない。

edge1


エッジという車の雑誌からガレージ住宅の取材が一昨日にあった。
住宅クライアントのてっくんはとても気持ちよくすべてを引き受けてくれたし
エディター、ライター、フォトグラファーは職人集団であるから非常に楽しく取材を終えた。
ただ天気予報がはずれ小雨がやまず、サイクルツーリング気分で出かけた僕は泥だらけになった自分の体と
チェーンのクリーンアップにその後の時間を費すことになる。
そしてその取材の主体が車とガレージであっただけに、僕はedgeの感覚を思い起こした。


僕らは磯崎新の「大文字の建築」に魅了され、Architecture と Building の違いを知り、多くの建築冒険少年が生まれ、
「父を刺し、母を犯せ」というオイディプス神話の引用に昂ぶり、大文字を無効にしようとする言説に一喜一憂し、
アゲクの果てに磯崎は大文字に戻っていくと宣言するのだが。
その扇動に呼応し多くの建築冒険家がedgeを彷徨いだす。
何しろArchitectureとは明治に造られ現在にいたる造語の「建築」という意味ではなく、
その概論、文化、構築、芸術の総体を示すものなのだから。
たとえばコンピュータの原理をもArchitectureと呼ぶのはそういうことなのだ。

冒険少年達の中には先日プリッカー賞を受賞した伊東豊雄もいた。
伊東は一番初めに建築の「エッジ」「周辺性」という言葉を使った。(のだと思う)
まるで神社のように「建築」本体は空洞でその概念、周辺、呼応する行為にこそ意味があるのだと。
そんなことまでは言ってなかった、という気もするがとにかくまぁ30年前に記憶は摺り込まれた。
今日ではより洗練されたエッジ冒険小僧たちが建築の先鋒をつとめている。
「どこでもリビング」(ドラえもん調だ)、ガレージも階段廊下も浴室もリビングなんてのは当たり前で
その表現方法に千差がある。


edge2
「建築」と言えるか言えないくらいの、そこら辺の「edge」こそが間違いなく一番面白い。
そのなかには「place」も含まれる。
「建築」をつくるのではなく「場所」を「空気」をつくるのだ。
それはArchitectureだ、と言えば建築にカギカッコをつけた意味は希薄になってしまうのだが。



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